不動産投資に失敗して壮絶な末路を送った4人の事例から導いた失敗の法則

「不労所得に」
「将来の資産に」

そんな想いで不動産投資をはじめて人生を大きく狂わせる人が後を絶ちません。
昨今、スルガ銀行の不正融資問題が世間を賑わせましたが、それは氷山の一角にすぎないのです。

私は不動産やローン返済の専門家として、不動産のローンが払えなくなってしまったローン破綻者から累計1000件以上のご相談を受けてきました。

その多くは住宅ローン滞納者からのご相談でしたが、最近では不動産投資のために借りたローンの返済ができなくなってしまったという方からのご相談が急激に増えています

 

不動産投資に失敗して私のところにご相談に来る方々のほとんどは、投資などせずに普通に生活をしていれば大きな不自由なく生活できていた方がほとんどです。

しかし、安易に不動産投資に手を出した結果、取り返しのつかない状況まで追い込まれてしまった方々が大勢います。

本稿では、その中でも特に悲惨な状況だった事例と、不動産投資に失敗する人の共通点をご紹介します。


ちなみに私は不動産業に身を置いていますが、私個人としては不動産投資をしていません。なぜなら不動産投資に失敗してしまった方々からのご相談を数々のご相談を受けて、そのリスクと悲惨さを知っているからです。

もちろん、不動産投資そのものを否定するつもりはありません。実際にそれで成功して儲けている方もたくさん知っています。しかし、やるのであれば十分にリスクを理解することと、失敗しないための方法を勉強してからにすることをお勧めします。

そうでないと次の4人のような悲惨な末路に陥るかもしれません。

不動産投資により人生が狂った4人の末路

不動産投資に失敗するとどうなるのか?結論としては、もし投資のために借りたローンを返せなくなれば、その投資物件は差し押さえられてしまいます。

そしてそれだけでは終わらず、もしそれでも返しきれなければ、最終的には家や車などあらゆる資産を差し押さえられて失うことになり、最悪の場合は自己破産まで追い込まれてしまうのです。

まずは、実際に私がご相談をお受けした中でも特に悲惨な状況に陥ってしまった方々の事例をご紹介します。


ワンルーム投資に失敗し、自宅まで失ったAさん

会社員であったAさんは東京都内にワンルームマンションを4部屋所有されていました。しかし、購入から年数が経つにつれ家賃が落ちてしまい、月々の収支がマイナスに陥っていました。

その不動産を購入するために借りたローンの返済が月25万円なのに対し、家賃収入が満室の状態でも月22万円、私のところに相談に来たときは1部屋空室だったため毎月10万円近く収支がマイナスという状況でした。

もう貯金も底をつきこれ以上の返済は続けられないため手放したいとのことでしたが、売却しようもローンが残り5500万円近く残っているのに対して、4部屋売却しても良くて4500万円程度にしかならない見込でした。

結局、Aさんは最終的に投資物件に加えて、自宅も差し押さえられる前に売却してその売却代金で差額を補填することでローンを完済し、不動産投資から足を洗う選択をされました。

将来の資産になると思って買った投資用マンションで、自宅まで失う結果となってしまったのです。


一棟マンションが大赤字で老後の貯金がゼロになったお医者様のBさん

大学病院にお勤めだった医者のBさんは、定年後の収入のためにと考えて4年前に1億5000万円で地方の一棟マンションを購入されました。

しかし、不動産会社が当初試算していたほどの家賃収入が入らず、一方で維持費や修繕費、税金などのコストは想定を大幅に上回り、ローンの返済も含めるとなんと年間で250万円以上の持ち出しが発生していました。

普通であればその時点で破産ですが、医者であるB様は年収が1500万円あったため何とか支払えていたそうです。とはいえ、定年を迎えて今後は到底払えなくなる見込みであったことから、売却を決断されました。

しかし、購入時に明らかに割高で買わされていたこともあり、売却しても3000万円程度の差損が出る見込でした。結局、今の貯金と退職金のほとんどをつぎ込んで差額を補填することで、売却して返済することになりました。


マンション投資でサブリース契約を破棄され自己破産を余儀なくされたCさん

会社員のCさんは、大企業にお勤めで収入も安定していました。しかし、5年前に不動産会社の営業マンに乗せられて購入した3室の投資用マンションのせいで、安定した生活をすべて失うことになりました。

当初は、営業マンの「サブリースが付いているから損することはないので安心して下さい」という口車に乗せられて購入したそうです。しかし、3年経過したときに一方的にサブリースの借り上げ金額を大幅に下げる旨の通告を受け、条件を飲まないならサブリース契約を更新しないとまで言われたそうです。

その結果、毎月収支が大きな赤字に陥り、働いて稼いだお金のほとんどはその補填に当てざるを得ない状況に追い込まれてしまいました。物件の売却も模索しましたが、どの不動産会社に査定を取ってもローンの残高との差額が1000万円近くでてしまう見込でした。

その後、しばらくは物件を保有して返済を続けていたものの、貯金が底をつきこれ以上の返済が困難になったところでご本人も諦めがつき、結局は自己破産してすべての借入を清算することになりました。

安易に不動産投資に手を出したがために、まじめに働いて買った家や車などすべての資産を失うことになったのです。

詐欺まがいの物件を購入し、ローンを払えなくなったDさん

会社員のDさんは4年前に東京郊外の賃貸マンションを購入しました。東海地方にお住まいだったDさんはその物件を一度も見たことがないと言います。

購入当初、物件の購入代金2500万円に加えて、空き屋だったその物件に入居者を募るのにリフォーム費用200万円が必要と言われたDさんは、営業マンの言われる通りにローンを組んで代金を支払ったそうです。

しかし、その後は想定していたほどの賃料では借り手がつかず、やむなく低い家賃で貸し出していました。さらに、1人目の入居者が出ていくと次の借り手がなかなか見つからずローンの返済ができなくなってしまいました。

当社で改めて査定をしたところ、物件の価格は購入当時で2000万円前後が相場でした。また、現地を確認したところ、200万円掛かったというリフォームをした形跡は全くなく、せいぜい20万円程度のハウスクリーニングのみでした。相場よりも500万円も高く買わされたうえに、明らかに過剰なリフォーム費用を請求されていたのです。

販売した会社を訴えようにも、もうその会社は廃業していてDさんは泣き寝入りするしかありませんでした。
結局、これ以上の返済は不可能なうえに売却しても多額の残債が残ってしまう見込みであったことから、Dさんは自己破産を申請し、一から再出発することになりました。

 

不動産投資失敗の典型パターン

では、先ほどの事例のように不動産投資に失敗してしまう人にはどのような共通点があるのでしょうか?
典型的なパターンは以下の5つです。

 

そもそも高い金額で買わされている

これは先ほどのすべての事例に当てはまりますが、不動産投資で失敗する人のほとんどが割高で物件を購入させられているのです。

当社にご相談いただいた方のうち、実に8割近い方が、当社の査定額よりも10%以上割高な価格で物件を購入しています。つまり、失敗する方のほとんどが「不動産投資として利益を出せる相場価格」を把握せずに物件を購入してしまっているのです。

そもそも本当にお買い得な物件は、そのほとんどが営業しなくても表に出る前にすぐに売れてしまいます。
投資不動産会社の営業マンはあたかも適正な価格で説明をしてきますが、一般の個人投資家に営業してくる物件は、そのほとんどが他に買い手のつかなかった割高の物件なのです。

割高な物件をフルローンで購入した結果、後に売却して足を洗いたくても売っても完済できないため売却することさえ難しくなってしまうのです。


利回りだけ見て「出口」を見ていない

これは前述の「割高で買わされている」にも通じるところですが、失敗する人の多くがその物件の資産価値ではなく利回りを見て物件を購入しています。つまり、失敗する人は“利回りだけは良い”物件を割高で買わされているのです。先ほどの3人もまさにこのパターンです。

例えば、「利回り10%以上」と言われると一見すごく良い物件に見えてきますが、2000万円で購入した物件が最終的1000万円でしか売れなければ全く意味がありません。

特に土地はまだしも建物は年月の経過とともに資産価値が確実に下がっていきます。極端な言い方をすれば、ローンを組んで不動産投資をするということは、「長期保有すればするほど確実に値下がりをする株式を、借金をしてまで購入する」のと同じことなのです。

そのため、購入時にある程度割安で買っておくことと、長期保有するのであれば資産価値が下がりにくい物件を選ぶことが大切になります。そして、そのためにはそれらを目利きする知識が必須になるわけです。


想定よりも賃料が下がってしまう

不動産投資に失敗してしまう人に共通しているのは、想定賃料が甘いことです。あるいは、甘いというよりは不動産会社の提示してくる想定賃料をそのまま鵜呑みにしてしまっているのが実際のところかもしれません。

実際に、先ほどのAさんも不動産会社の営業マンが言う賃料がそのまま取れるものだと思っていたと言います。

しかし、購入時は想定通りの賃料が取れたとしても、築年数の経過とともに取れる賃料は落ちていきます。そして、賃借人が出ていくごとに家賃を下げないと新しい賃借が決まらないという事態に陥ることが珍しくありません。


上記の表の通り、当社にご相談いただいた方のほとんどが「想定していたほど賃料が入らなかった」と回答しており、「長期的な家賃収入の想定が甘い」ということが不動産投資で失敗する大きな要因のひとつと言えます。

そもそも不動産会社の提示してくる想定賃料は極めて楽観的であることが多々あります。悪質な場合は意図的に想定賃料を釣り上げて提示していることさえあります。そのため、それを鵜呑みにしてしまうと痛い目に遭うのです。

正確な想定賃料を算出するには、営業マンの言うことを鵜呑みにせず、近隣の家賃相場を調べることはもちろん、近隣で対象物件よりも築年数が古い物件がどれくらいの家賃を取れているのかも調べて将来の想定賃料を厳し目にシミュレーションすることが大切です。


空室リスクや維持費の想定が甘い

これも前述の「想定賃料」と同じですが、空室リスクや維持費の想定が甘いことも多々あります。まさにBさんの事例がそうです。

そもそも「想定賃料」や「想定利回り」は部屋が埋まっていればの話であり、空室の間は収入がゼロでローンの返済だけが発生します。維持費も同様で、物件が古くなれば相応の修繕費が必要になります。

 

Bさんも購入した一棟マンションがすでに築古の中古であったため、設備の故障などが重なり後から100万円以上の修繕が何回も必要になったそうです。


フルローンで購入している

繰り返しになりますが、ローンを組んで不動産投資をするということは、「長期保有すればするほど確実に値下がりをする株式を、借金をしてまで購入する」ことと同じです。

それを、頭金を一切出さずにフルローンでということは、よほど割安で買っていない限り売っても完済できない状態(オーバーローン)になる危険性が高くなります。そうなってしまうと、もうやめたいと思っても先ほどの事例の3人のように差額を自己資金で補填しないと売ることさえできないという状況に陥ってしまいます。

しかし、実際には当社にご相談にいらっしゃる方のうち9割以上の方が、フルローンもしくは頭金1割以下で物件を購入しています。

ある程度の頭金を入れておけば、万が一想定通りの収支にならなかったとしても、売却してローンを完済すればそれでリセットすることができます。

リスクを抑えるためにも、ある程度の自己資金がないのであれば不動産投資は控えるべきでしょう

 

失敗する人の誤解と不動産投資営業マンの営業トーク

ここまで不動産投資に失敗した人の共通点を解説してきましたが、冷静に考えれば当然のことがほとんどです。しかし、それでも失敗して人生を狂わせてしまう人が後を絶たないのは、不動産投資の営業マンの功名な営業トークに乗せられてしまう人が少なくないからです。

以下で不動産投資の営業マンの典型的な営業トークを紹介しますが、すべてを鵜呑みにすることなく本当に正しいかご自身でしっかりと判断することが大切です。

 

お金を銀行に預けても増えないが不動産投資をすれば増える?

これは最も多い営業トークのひとつです。お金を眠らせておくよりも投資をして増やした方が良いという理屈は間違っているとは言えません。

確かに近年の超低金利時代では銀行に預けておいてもお金は増えません。しかし、だからと言って不動産投資をすれば増えるのでしょうか。

もちろん成功すれば増えますが、失敗すれば逆に減ることもあるわけです。銀行に預けておけば少なくても減ることはありません。

逆に言えば銀行預金はリスクが低いので金利も安いのです。「利回りの高さ=リスク(不確実性)の高さ」というのは資本市場における常識です。利回りが良いということはハイリスクハイリターンであることを理解しておく必要があります。


将来資産になる、将来の年金代わりになる?

これも必ず使われる営業トークです。しかし、物件にもよりますが30年などの長期でローンを組んだのであれば、ローンを払い終わったときにどれくらいの資産価値が残っているかという問題です。都市部ならまだしも地方で築30年以上の物件はほとんど資産価値として残りません。

また地方の築30年以上の物件などは取れる家賃も極めて低く、最悪の場合はどれだけ家賃を下げても人が入らないケースもあるでしょう。

将来の資産や収入のためにというのであれば、確定拠出年金など他の投資とも比較したうえで、リスクとのバランスを考えて購入しなければなりません。


生命保険代わりになる?

これも使い古された営業トークです。
確かに団体信用保険に加入することで、もし自分が亡くなったときに不動産という資産だけが残り、ローンはなくなるため生命保険的な役割を果たすこと自体は間違いありません。

しかし、冷静に考えて生命保険代わりにローンを組んで不動産投資をするということは「借金して生命保険に加入する」ということに等しいわけです。

もし自分に何かあったときに家族のためにというのであれば、普通に生命保険に入れば良いのではないでしょうか。

 

サブリースだから安心?

「サブリースだから損することはない」と言われると一見するとリスクの低い投資に見えてきます。しかし、スルガ銀行の不正融資が話題になった「かぼちゃの馬車」の問題は、サブリースがリスク回避につながらないということを露呈しました。

下記の表の通り、当社にご相談いただいた方のうち3割以上が、購入当初はサブリース契約をしていました。これが多いと見るかは人それぞれですが、少なくても「サブリースがあれば安心」ということにはつながらないと言えます。

サブリース契約は、その契約書を見るとほとんどの場合で「〇〇年後に協議のうえ家賃を見直す」という文言が入っています。冒頭の事例のCさんもまさにそうでした。今も全国でサブリースの家賃を下げられたオーナーとサブリース会社で多数の訴訟が起きています。

また、仮に家賃を見直さずに将来に渡って一定の家賃をもらえるという契約になっていたとしても、かぼちゃの馬車のようにその会社が倒産してしまえば何の意味もありません。30年後もその会社が存続している保証などどこにもないのです。

 

最後に~不動産投資に失敗しないためには

それでは、大きなリスクを回避して不動産投資の失敗を避けるためにはどうすれば良いのでしょうか。

具体的にどのような物件をどのような条件で買えば儲かるかということについては他の専門家の方に譲りますが、少なくても以下の心構えは忘れないようにしていただければと思います。

・本当においしい物件はほとんど表に出ないと肝に銘じる
・生半可な知識で購入しない
・購入するときは複数の専門家にセカンドオピニオンを求める
・「想定家賃」「空室率」「維持費」「出口価格」を厳し目に想定する


どれも当たり前のことですが、不動産投資を始めようと思うとどうしても物件を買うことを目的化してしまい、物件や条件の見定めが甘くなりがちです。

しかし、安易に手を出すと失敗した時に冒頭の事例のような悲惨な結末が待っています。

あくまでも不動産投資はハイリスクハイリターンな投資であることを理解し、自分なりの条件を設定したうえでその条件以上でないと買わないという覚悟が必要です。

 

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